「幻影旅団 強さ」で調べに来る人がぶつかる壁は、だいたい同じところだと思います。メンバーの名前は出てくる。念能力の名前も出てくる。ところが「結局、誰がいちばん強いのか」の答えが、サイトごとに違う。ここでは団員13人の一覧と念系統、そして団内の腕相撲順位を並べたうえで、その順位がどこから来た数字なのかまで追いかけました。
先に白状します。腕相撲の順位については、原作の現物で掲載箇所を確かめられませんでした。だから「載っています」とは書きません。どこまでが確認できた事実で、どこからが確認できていない話なのか、その線を引いたうえで並べます。ネタバレは、王位継承戦の団員構成に触れる範囲までにとどめました。
幻影旅団の強さを一覧で確認|団員13人とNo.0からNo.12までの並び
幻影旅団は団長クロロを含む13人の集団で、団員にはNo.0からNo.12までの番号が割り振られています。全員が、あらゆる人や物が捨てられる場所と語られる流星街の出身です※1。強さを比べる前に、まずこの13という枠と番号を頭に入れてください。番号は強さの順位ではありません。
結成時点の13人を、番号・念系統・能力名の順で並べます。
- No.0 クロロ=ルシルフル/特質系/盗賊の極意(スキルハンター)※1
- No.1 ノブナガ=ハザマ/強化系/刀を使う近接戦型。固有の能力名は原作で明示されていません※1
- No.2 フェイタン=ポートオ/変化系/許されざる者(ペインパッカー)※1
- No.3 マチ=コマチネ/変化系/念糸(ねんし)※1
- No.4 ヒソカ=モロウ/変化系/伸縮自在の愛(バンジーガム)。のちに脱退※1
- No.5 フィンクス=マゴカル/強化系/廻天(リッパー・サイクロトロン)※1
- No.6 シャルナーク=リュウセイ/操作系/携帯する他人の運命(ブラックボイス)※1
- No.7 フランクリン=ボルドー/放出系/俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)※1
- No.8 シズク=ムラサキ/具現化系/デメちゃん※1
- No.9 パクノダ/特質系/触れた相手の記憶を読み取る能力※1
- No.10 ボノレノフ=ンドンゴ/具現化系/戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ)※1
- No.11 ウボォーギン/強化系/超破壊拳(ビッグバンインパクト)※1
- No.12 コルトピ/具現化系/神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)※1
この13人が一度に全員そろって戦う場面は、実はそれほど多くありません。ヨークシンシティ編では役割ごとに散り、王位継承戦では船内の区画ごとに分かれて動きます。そのため読者は「並べて比べる材料」をほとんど与えられないまま、強さを推測させられる。ここが、この作品の旅団の面白さでもあり、検索してもすっきりしない理由でもあるはずです。
幻影旅団の腕相撲ランキングは1位ウボォーギン、13位コルトピ
ファンのあいだで長く共有されている団内の腕相撲順位は、1位がウボォーギン、最下位の13位がコルトピです。この順位表がよく引き合いに出されるのは、旅団の力関係を横並びで示した数字がほかにほとんど無いからでしょう。ただし出典には注意が必要で、そこは次の項で分けて書きます。
幻影旅団の腕相撲ランキング全13位
複数のファンサイトで一致している並びは、次のとおりです※2※3。
- 1位 ウボォーギン
- 2位 フィンクス
- 3位 ヒソカ
- 4位 フランクリン
- 5位 フェイタン
- 6位 マチ
- 7位 クロロ
- 8位 ボノレノフ
- 9位 ノブナガ
- 10位 シャルナーク
- 11位 パクノダ
- 12位 シズク
- 13位 コルトピ
目を引くのは、団長のクロロが7位という位置です。ちょうど真ん中。そして、体格で言えば小柄なマチがそのクロロより上にいる。この2点が、順位表を見た人がいちばん引っかかるところだと思います。
幻影旅団の腕相撲ランキングの出典を追いかけて分かったこと
ここが、この記事でいちばん書きたかった部分です。この順位の一次情報にあたる作業を、実際にやってみました。結果は「確認できなかった」です。
調べた範囲を具体的に書きます。順位を掲載しているファンサイトを開くと、順位そのものは細部まで一致していました※2※3。いっぽうで、どちらのページにも「単行本の何巻の何ページに載っているか」が書かれていません【実測】。一方は考察記事という体裁で、掲載箇所を示していない。もう一方は見出しに「公式完全版」と入っているものの、本文に出典の記載がありませんでした。
読者の書き込みをたどると、掲載巻についての説明は10巻の余白という説と、31巻の選挙編のページという説に分かれています。どちらも個人の記憶を根拠にした書き込みで、突き合わせる材料がありません。集英社のコミックス公式ページには巻ごとのあらすじと発売日とページ数が載っていますが、こうした巻末や余白のおまけデータまでは載っていません※4※5。
だから、この記事での扱いはこうします。順位そのものは、複数の独立したページで一致しているため、何らかの原典があった可能性が高い【推測・確信度中】。ただし掲載巻については判断を保留する【推測・確信度低】。そして順位が「念を使わない素の腕力」なのか「念ありの膂力」なのかも、明示された説明を見つけられませんでした。素の腕力だと解釈しているページはありますが、それも書き手の推測です。
細かい話に見えて、これは読み方に直結します。もしこの順位が念なしの腕力なら、クロロの7位は「肉体は平均的」という情報にすぎません。念ありの数字なら、団長が戦闘力で中位という重い話になる。どちらの前提に立つかで、結論が正反対になってしまう。だから順位表を「公式データ」として一人歩きさせないほうがいい、というのが取材してみた実感です。
幻影旅団の能力一覧を念系統で並べ直す|強化系と具現化系が3人ずつ
13人を念の6系統で数え直すと、偏りが見えてきます。強化系が3人、具現化系が3人、変化系が3人、特質系が2人、操作系が1人、放出系が1人。この内訳は、旅団が何をする集団なのかをかなり素直に表しています。念の6系統そのものを先に押さえたい方は、念能力の一覧を6系統で整理した記事から読むと早いです。
- 強化系(3人):ウボォーギン、ノブナガ、フィンクス。正面から殴り合う担当です
- 具現化系(3人):シズク、コルトピ、ボノレノフ。掃除・複製・撤収など、後片づけに効く能力が並びます
- 変化系(3人):フェイタン、マチ、ヒソカ。搦め手と拘束が得意な並びです
- 特質系(2人):クロロ、パクノダ。能力を奪う側と、記憶を読む側。どちらも情報を扱います
- 操作系(1人):シャルナーク。携帯端末で人を動かす担当でした
- 放出系(1人):フランクリン。指先から弾を飛ばす遠距離担当です
並べてみると、殴る3人と後片づけの3人が同数なのが分かります。盗みを本業にする集団としては、実に理にかなった配分だと思いました。コルトピの複製で偽物を残し、シズクの掃除で痕跡を消し、シャルナークの端末で人を動かす。この3つがそろって初めて、ウボォーギンの破壊力が「作戦」になります。
腕相撲順位と系統を重ねると、もうひとつ見えるものがあります。腕相撲の上位5人のうち、強化系が2人、変化系が2人、放出系が1人。具現化系はひとりも入っていません。後片づけ担当が肉体で下位に並ぶのは、役割分担が徹底されている証拠だと読んでいます【推測・確信度中】。
幻影旅団で最強は誰か|団長クロロが腕相撲7位でも困らない理由
幻影旅団で最強を一人選ぶなら、腕力ではウボォーギン、総合ではクロロという整理が無理のないところです。クロロの能力は他人の念能力を奪って本に収める盗賊の極意で、条件を満たすほど手札が増えていく構造になっています※1。腕相撲の順位が真ん中でも困らない理由は、ここにあります。
この能力には、はっきりした条件が付いています。相手の念能力を実際に見ること、能力について相手に尋ねて答えを得ること、本に相手の手形をスタンプすること。この3つを1時間以内に満たす必要があります※1。奪ったあとも本を出したままでなければ使えず、本は両手でつかんでおく必要がある。つまりクロロの強さは、戦う前の準備と情報収集で決まる形になっています。
ですから「最強は誰か」という問いは、この作品では前提を決めないと答えが出ません。裸で1対1なら、超破壊拳を持つウボォーギンが順当でしょう。準備時間と情報を与えたなら、手札を増やせるクロロが有利になる。狭い船内で不意を打つ状況なら、拘束の得意なマチやフェイタンが刺さる場面も出てきます。強さの定義を先に置かないランキングは、どうしても書き手の好みになるというのが、いろいろ読んで回った結論です。
クラピカとの関係を軸にクロロを追いたい方は、クラピカとクロロの関係を原作で整理した記事のほうが踏み込んでいます。鎖の条件と除念の話も、そちらに寄せました。
幻影旅団のメンバーで死亡したのは4人|欠員はどう埋まったか
原作で死亡が描かれた団員は4人です。ヨークシンシティ編でウボォーギンとパクノダ、王位継承戦でシャルナークとコルトピ。前の2人はクラピカとの戦いの流れで、後の2人はヒソカによって退場しました※1。13人の枠は、すでに3割ほど入れ替わったことになります。
欠員の埋め方には、旅団らしい割り切りがあります。
- No.4(ヒソカの脱退後):ゾルディック家の末っ子カルトが入りました※1
- No.11(ウボォーギンの死後):カルトの兄であるイルミが入りました※1
番号が空いたら別の人間が入る。この仕組みは、旅団が個人の集まりではなく「機能の集まり」として設計されていることを示しています。ウボォーギンの代わりに強化系を連れてくるのではなく、操作系のイルミがその番号に座る。空いたのは番号であって、役割ではないという読み方です【推測・確信度中】。
ヨークシンシティ編そのものを読み直すなら、入口は9巻です。集英社の公式あらすじは「その行方をめぐり幻影旅団が残虐なる姿を現し始め、騒然となるヨークシン」と書いています※6。2000年7月4日発売の192ページで、クラピカと旅団が初めて正面からぶつかる編の入り口にあたります※6。ウボォーギンとパクノダの退場も、この編の中で描かれます。
幻影旅団の結成はどこで語られるのか|38巻でノブナガが追懐する
旅団がどうやって生まれたのかは、長いあいだ断片しか出ていませんでした。それが動いたのが38巻です。集英社の公式あらすじに、はっきり書かれています。「その最中、ノブナガは幻影旅団結成のいきさつを追懐し…」※7。結成の経緯が本編で語られ始めたことを、公式の紹介文が認めている形になります。
この一文の位置がなかなか効いています。38巻の内容は、暗黒大陸を目指す船内で起きているマフィア3組の抗争で、旅団はヒソカを追ってその抗争に加わっている状況です※7。つまり現在の旅団が最も荒れている場面で、過去の結成話が挿し込まれている。冨樫作品でこの並べ方が出てくるときは、過去の側に伏線が仕込まれていることが多い、と身構えて読みました【推測・確信度中】。
38巻は2024年9月4日の発売で208ページ※7、収録は391話「衝突(2)」から400話「秘匿」までの計10話です※8。結成のくだりを自分の目で確かめたい方は、この巻から入るのがいちばん早いはずです。紙で読むならHUNTER×HUNTER 38が該当します。
ちなみに流星街という出身地の設定は、この結成話を読むうえで外せません。あらゆる人や物が捨てられる場所という説明が公開情報として出ており※1、そこから出てきた13人が「盗む側」に回ったという構図になります。捨てられた者たちが、捨てない人間から奪う。旅団の行動原理を、出身地の設定がそのまま説明してしまっている構造です。
幻影旅団はいまヒソカを狩っている|39巻までの現在地
最新刊の39巻時点で、旅団は船内でマフィアと戦いながらヒソカを探しています。集英社の公式あらすじには「一方ボノレノフがゲームに興じるヒソカを見つけ出し!?」とあります※9。腕相撲順位で8位、具現化系のボノレノフが接触役になった。この人選そのものが、いまの旅団の状況を物語っているように見えます。
39巻は2026年7月3日の発売で、208ページです※9。38巻が400話で終わっているため、39巻は401話から始まる計算になります【推測・確信度高】。オリコンは、この39巻を2年ぶりの新刊と書いています※10。連載の進み方を考えると、旅団とヒソカの決着はまだ先になるでしょう。追いかけるならHUNTER×HUNTER 39までが現在地です。
ボノレノフが最初に見つけた、という配置について少し考えました。ヒソカは団員2人を倒しています。旅団側からすれば、単独で当たらせるのは損な相手です。それでも彼が接触役になったのは、船内の区画に散らばって探していたからでしょう【推測・確信度中】。誰が見つけるかを選べる状況ではなかった。ここに旅団の弱点が出ていると読んでいます。13人という枠は、広い場所に散ると急に薄くなる。
船の中で何が起きているのかを先に整理したい方は、王位継承戦の15人ルールを解説した記事と、暗黒大陸編の基礎をまとめた記事が下地になります。旅団の動きは、どちらもこの2つの枠組みの上に乗ったものです。
幻影旅団の強さを一覧で押さえたあと、どの巻から読み直すか
目的によって、開く巻が変わります。強さの比較材料を集めたいのか、結成の背景を知りたいのか、現在地に追いつきたいのか。この3つで入口が分かれます。原作は全39巻で、累計発行部数は1億部を超えました※10。通しで読むのは軽い量ではないので、目的から逆算するのが現実的です。
- 旅団の戦い方を見たい:9巻から。ヨークシンシティ編で13人がまとまって動きます※6
- 結成の経緯を知りたい:38巻から。ノブナガの追懐が入ります※7
- ヒソカとの現在地に追いつきたい:39巻。ボノレノフの接触までが最新です※9
- 念の仕組みから固めたい:7巻前後。系統の話が分からないと能力の比較ができません
- 編の並び順から確認したい:ハンターハンターの編を一覧で整理した記事が早いです
最後にもう一度だけ、腕相撲順位の話に戻ります。あの表は便利です。13人を一列に並べてくれる数字は、ほかにありません。だからこそ、出典が確認できないまま「公式」として扱われてしまう。順位を使うこと自体は問題ないと思っています。使うときに「掲載箇所は確認できていない」と一言添えるだけで、考察の土台はずっと丈夫になる。この記事でやりたかったのは、そこの線引きでした。
出典
- ※1 幻影旅団(ウィキペディア日本語版)
- ※2 幻影旅団の腕相撲ランキングについて考察(ハンターハンター考察大百科)
- ※3 ハンターハンター 幻影旅団 腕相撲ランキングまとめ 公式完全版(未来の本棚)
- ※4 HUNTER×HUNTER 31/冨樫 義博(集英社)
- ※5 『HUNTER×HUNTER』コミックス一覧(集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト)
- ※6 HUNTER×HUNTER 9/冨樫 義博(集英社)
- ※7 HUNTER×HUNTER 38/冨樫 義博(集英社)
- ※8 『ハンターハンター』最新38巻が本日(9/4)発売。1年10ヵ月ぶりの新刊。391話“衝突(2)”~400話“秘匿”の計10話を収録(ファミ通.com)
- ※9 HUNTER×HUNTER 39/冨樫 義博(集英社)
- ※10 『HUNTER×HUNTER』累計1億部突破!2年ぶり新刊、39巻が7月3日発売(オリコンニュース)
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