ハンターハンターのジャイロとは何者?顔のない王の正体を追う

2026年7月20日月曜日

キメラアント編 キャラクター考察 ジャイロ ハンターハンター 伏線考察

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ずっと引っかかっていることがあります。

なぜ、あのキメラアント編の緊迫した状況の中で、

本筋の戦いとは一切交わらない、ある一人の男の過去に、丸々一話が費やされたのか。

それも、彼は主人公たちとニアミスしただけで、そのまま舞台から立ち去っていきました。

あの男の名前は。

……ジャイロ。

今回は、未回収のまま残された『HUNTER×HUNTER』史上最大の謎であるジャイロの正体の噂について、原作の描写を徹底的に掘り下げながら考えてみます。

※本記事は原作のネタバレを含みます。



ジャイロって何者?

まず確実なところから並べます。

  • ジャイロは、キメラアント編の舞台になった独立国家「NGL(ネオ・グリーン・ライフ)」を作った人物
  • 表向きは自然主義の国だけど、その裏を支配していた「裏の王」
  • 初めて語られるのは単行本20巻。しかもそれ以降、本編には一度も出てこない
  • 容姿は最後まで描かれていません(人間だった頃は黒塗り、その後もフードを被った姿)
  • セリフも少なく、物語に直接からむ場面もほとんどない

つまりジャイロって、たった一回、20巻でその存在が語られただけのキャラなんです。

それなのに、いまだにあれこれ考察され続けている。登場時間の短さと、残した引っかかりの大きさが、まったく釣り合ってないんですよね。ここがもう、いかにも冨樫義博先生という感じがします。

ジャイロは結局どこの誰なのか? NGLの裏の顔

ジャイロがやっていたことを、順番に見ていきます。

彼が作ったNGLは、機械文明を捨てて自然の中で生きる、という理念を掲げた国でした。でもそれは表の顔で、裏では「D²(ディーディー)」と呼ばれる飲むタイプの薬物を作って、外の世界に流していたんです。カイトですら、その裏側には気づけていませんでした。

で、ジャイロの目的なんですけど、これが普通じゃない。金儲けとか支配欲とか、そういうわかりやすいものじゃないんですよ。

作中の回想に、こういう趣旨の一文が出てきます。

全世界に悪意をばらまきたかった

薬物はその手始めで、まだやりたいことは山ほどあった、と続きます。

ここ、読んだとき背筋がひやっとしました。目的が「悪意をばらまくこと」そのものなんですよ。手段のために悪いことをするんじゃなくて、悪意を広げること自体がゴールになっている。動機がここまで突き抜けてる悪役って、エイ=イ一家のモレナ=プルードを思い出しますね。


ジャイロはどうやって王になった人間なのか?

ジャイロには、かなり過酷な生い立ちがあったことが描かれています。

ここは僕、あまり細かく書きたくないんです。読んでいてしんどい種類の過去だし、この記事で再現する必要もないと思うので。ひとつだけ言えるのは、彼はそういう境遇の中で育って、その結果として、世界そのものへの敵意をエネルギーに変えていった人間だ、ということです。

被害者だった子どもが、いつのまにか、世界に牙をむく側に回っていた。

そして自分の手で国をひとつ作り上げて、王になった。誰かに与えられた立場じゃなくて、ゼロから自分で奪い取った王座なんですよね。この「自分で王になった」という点が、あとの話ですごく効いてきます。

ジャイロはその後どうなったのか?

ここが一番聞かれるところだと思います。「で、ジャイロってどうなったの?」って。

キメラアント編の序盤で、NGLはキメラアントの群れに襲われます。ジャイロも女王に捕食されて、人間としては命を落としました。

ただ、話はそこで終わらないんです。

ジャイロは捕食されたことで、今度はキメラアントとして生まれ変わりました。しかも、多くのキメラアントが人間だった頃の記憶を失うなかで、彼は記憶を持ったままの例外的な存在として描かれています。そして女王のもとを離れて、どこかへ消えた。

じゃあどこへ行ったのか。ここからは推測の領域になります。有力な説を表に整理してみますね。

根拠になっている描写弱いところ
流星街へ向かったウェルフィンたち複数のキャラが、ジャイロの行き先として流星街を示唆する発言をしているあくまで作中人物の推測。ジャイロ本人がそこで何をしたかは描かれていない
新しい国を作ろうとしているNGLをゼロから築いた前歴がある。流星街は外部の干渉を受けにくい土地完全に読者側の想像で、原作に根拠はない
いつかゴンと対決する20巻に、ゴンと出会う日まで幸運か不運かわからない、という趣旨の地の文がある「出会う」ことは示されても、「対決する」とまでは書かれていない

正直に線を引いておきます。

ジャイロがその後どうなったかは、原作でははっきり描かれていません。流星街説は、あくまで他のキャラの推測発言が根拠であって、確定情報ではないんです。「流星街に向かったという見方が有力」というところまでで止めておくのが、いちばん誠実だと思います。

この歯切れの悪さ自体が、ジャイロというキャラの魅力なのかもしれません。

ジャイロは何者として戻ってくるのか? ここからは僕の見立て

ここからが、この記事でいちばん書きたかったところです。

僕、ジャイロについて調べていて、あることに気づいたんです。冨樫義博はこのキャラの「三つのこと」を、そろって空白のままにしてるんですよね。

ひとつめは、顔。人間の頃もその後も、一度も描かれていません。
ふたつめは、その後。生き残ったのに、行方が描かれていません。
みっつめは、ゴンとの関係。出会う日まで幸運か不運かわからない、とだけ書いて、その日は来ていません。

顔も、未来も、主人公との接点も、ぜんぶ埋めずに残してある。

これ、ただの思わせぶりじゃない気がするんです。というのも、キメラアント編にはもうひとり、王がいましたよね。メルエムです。

メルエムは、生まれながらの王でした。女王に望まれて生まれて、護衛軍に心から慕われて、最初から与えられた王だった。

ジャイロは、その正反対なんですよ。誰にも望まれず、過酷な境遇から這い上がって、自分の手で王の座を奪い取った。与えられた王と、奪って作った王。

で、物語の中で、メルエムのほうは答えが出ました。コムギとの関係を通して、王として完結して、命を落とした。ちゃんと描き切られたんです。

でもジャイロは、器を空けたまま生き残った。

僕には、冨樫がキメラアント編で「王とは何か」というテーマを、この二人一組で描こうとしていたように見えます。片方(メルエム)で一度きれいに答えを出して、もう片方(ジャイロ)を、あえて未完成のまま暗黒大陸編に持ち越した。顔を描かないのも、その後を描かないのも、「この器はまだ空いてますよ」という合図なんじゃないかなと。

だとすると、ジャイロがいつか戻ってくるとき、それは単なる強い敵の再登場じゃないと思うんです。メルエムで出した答えの、裏側の答え合わせとして出てくる。そういう役割を背負わされている気がしてなりません。

まあ、ここまでは完全に僕の読みなので、当たってるかはわかりません。でも、顔を描かなかった理由を考えると、どうしてもここに行き着いてしまうんですよね。

あとはジャイロという名前が気になります。キメラアント編では野球のピッチャーの球種であるナックル、シュート、パームがハンターとして登場します。

ジャイロも球種だとするとハンターとして登場する?実は共選ハンターとしてブラックホエール号に乗り込んでたりして。


まとめ:ジャイロについて言えること

  • 【事実】ジャイロは独立国家NGLの創設者で、裏では薬物を製造していた「裏の王」。単行本20巻で語られました
  • 【事実】容姿は最後まで描かれておらず、20巻以降は本編に登場していません
  • 【事実】キメラアントに捕食されて人間としては命を落とし、記憶を持ったままキメラアントとして生まれ変わり、女王のもとを離れました
  • 【考察】その後は流星街に向かったという見方が有力ですが、これは他キャラの推測発言が根拠で、確定ではありません

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